育児と引越と時々犬の絵日記

2017年5月生まれの娘と2021年6月生まれの息子

【おすすめ育児本】子どもをのばすアドラーの言葉:子どもにイライラしてしまう人へ

アドラー心理学を知っていますか?

アドラー心理学を解説し、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」で、実際にアドラー心理学について勉強された方も多いと思います。

話題になった当時に私もやはり読んでみました。

最初は今までの常識を覆すような内容にかなり衝撃を受けましたが、

段々と腑に落ちていき、

最終的には今までの人生における悩みごとの殆どが吹っ飛ぶくらい目からウロコの内容でした。

 

そうしてアドラー心理学凄いなぁ!と、しみじみ思っていた頃に私は子どもを授かったものですから、

初めての育児本にはやはりアドラー関連の本を選びました。

私が選んだ本は「嫌われる勇気」の著書である岸見一郎さん著

子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気」です。

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この本は今まで読んだ育児本の中でも断トツでお気に入りであり、子育てで悩んだ時に何回も読み返しています。

 

子育てを始めて2年ちょっと。

試行錯誤の毎日です。

なんてったって子どもを育てるどころか、

子どもと接することすら殆どない人生でしたので分からないことだらけです。

ですので、決して多くはありませんが、何冊か育児本を読みました。

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この他に勿論離乳食の本やら、ねんねトレーニングの本やらの実用的な本も数冊読みました。

どの本も、子育てについて全く知識のない私には参考になるものばかりでしたが、

中でも圧倒的に読んで良かったと思っているのがこの

「子どもをのばすアドラーの言葉」です。

何がそんなに良いのかというとずばり

子育てでイライラしない」ことです。

 

決して娘は育てやすい部類ではないと思います。

0歳の時はとにかく夜中に何度も起きる子でしたし、

今も人並みにイヤイヤが始まっています。

しかし、娘に対して声を荒げたり、

まして手をあげようとしたことはありません。

それをしたくなったこともありません。

それは、この本を読んで、

「子どもを叱ることの無意味さ」を知ったからだと思います。

    

     目次

 

叱ってはいけない、ほめてもいけない。

アドラーは子どもを叱ってはいけないと言っています。

子どもが親のいうとうりに行動しない、問題行動をする、勉強をしない、そういった時に、ついカッとして子どもを叱ってしまう。

それは親が叱ることが有効だと考えているからでしょう。

しかし、叱ることは全く無意味です。

 

例えば、子どもが電車の中でうるさくした時などについ叱ってしまうことがあるかも知れません。

そのような時は普通に言葉で説明すれば良いのです。

叱るということは言葉では理解出来ないと思っているからであり、

つまり子どもを親とは対等とは見ていないということです。

子どもと対等に接するためには、

どんな時でも子どもを頭ごなしに叱らずに、

冷静に向き合うことができなければなりません。

子どもを対等とは見ない人だけが、

叱ったり、叩いたりするのです。

 

しかし、どうにも子どもが問題行動をやめない。

そんな時はどうしたらいいのでしょう。

 

アドラーは、子どもたちというのは

特別によくなるか、悪くなろうとする」のだといいます。

最初は、いい子になって親からほめられようとしますが、

親がそのことに気づかなかったり、

あるいは当たり前のことだと思って何も言わなければ、

一転して問題行動をしてわざと親から叱られようとするのです。

では、私達親はどうしたらいいのか。

 

叱ってはいけない、でもほめてもいけないのです。

どういうこと?

それは是非著書を読んで確かめてください。

叱ることは自分の怒りを正当化するために持ち出される理由でしかない

よく、叱るのと怒るのは違う、

怒ってはいけないが、叱ることは躾のために必要という人がいます。

しかし、アドラーはそれをこんな風に否定しています。

「体罰は怒りの感情を伴ってなされる。そこに正義など何もない。復讐のために体罰が加えられるのである」

手をあげなくても、叱ることは体罰と同じです。

躾のためというのは子どもに対する自分の怒りを正当化するために持ち出される理由でしかありません。 

原因論ではなく目的論

著書にはそのように書かれていますが、

これを理解するためには、アドラー心理学の根幹の一つである

原因論ではなく目的論

を知っている必要があります。

普通、人に対して「怒る」時にはなんらかの原因があるものと考えます。

例えばクレームをつけて怒っている人が、

「対応が悪い」

「注文が来ない」

などが原因だと言っていたとします。

しかし、これはアドラーからすると

「とにかく怒ることで相手を屈服させたい」

ために、怒っていると解釈されます。

同じ対応を受けても怒らない人もいます。それなのに怒るのは、

ストレスをぶつけたい。怒鳴ってスッキリしたい。

そう思っている人がたまたま「怒る理由」を手に入れて怒るのです。

つまり、「原因」があって怒っているのではなく

怒る「目的」のために怒るのです。

きっかけがあって怒るのではなく、怒りたくて怒っているのです。

 

話を「子どもをのばすアドラーの言葉」に戻します。

つまり、子どもを叱る親は、

「子どもがいうことを聞かない」

「いたずらをする」

などを原因として叱りますが、これは

「怒ることで子どもを屈服させたい」

ために、それを正当化する理由を見つけて叱るのです。

 

 

友人が手元のお茶をうっかりこぼしてしまった時に、怒りますか?

同じシチュエーションでも子ども相手だと怒ってしまう場合があります。

それは、「お茶をこぼしたこと」が、

積もり積もった子育てのストレスを怒りとして発散するための

格好の「理由」となるからなのです。

そして、子どものことを

「言葉で注意するだけでは理解できない」と、

対等に見ていない証なのです。

駄目だよ、と言うことは必要でしょうが、そこに怒りは必要ないのです。

 

泣いて暴れる子どもに対して、親も感情で答えてしまっては最悪です。

親が子どもに冷静になって欲しいのと同様に、

子どもも親に冷静でいて欲しいと思うはずです。

確かに怒りを表すことは即効性があります。

問題行動を一時的に子どもはやめるかも知れません。

しかし、たとえ時間がかかっても

言葉を尽くして問題を解決していくことを子どもに学んでもらうためには、まず親がそうであらねばならないのです。

課題の分離

この本では子どもにイライラしないために、アドラー心理学の「課題の分離」も出てきます。

先程の「原因論ではなく目的論」のように、

アドラー心理学の大事な根幹の一つに

課題の分離」というものがあります。

それは、「自分の課題と他者の課題を切り分けて考える」というものです。

例えば勉強をしない子どもに親がイライラするパターン。

これを課題の分離で考えると、

勉強をすることは子どもの課題であり、しないことで成績が下がって授業についていけなくなったり、希望の学校に入れなくなるのは「子ども自身」であり、親が介入するものではない。

他方、それを見てイライラするのは親の課題であり、そのイライラをぶつけるのは親の課題を子どもに解決させようとすることなのです。

 

じゃあどうやって子どもに勉強をさせたらいいのかというヒントは著書に書かれているのでそちらで確認して頂きたいと思いますが、

この「課題の分離」という考え方もイライラしなくなった大きな発見でした。

子どもに介入しすぎない。

一見すると冷たいと思われそうな考え方ですが、

親子関係だけでなく、対人関係全てで

ぐっと生き方が楽になる重要な考え方だと思います。

 

 

さいごに

この本は「子どもをのばす」というタイトルに惹かれて読みましたが、

読んでみると、「自分をのばす」本でした。

妊娠前に「嫌われる勇気」そして妊娠中に「子どものばすアドラーの言葉」を読んだことはとても幸運だったと思います。

というのも、私の親は「厳しく叱る」親でした。

私が幼い頃に父が亡くなったこともあり、真面目な母はきっと、自分が厳しく躾けなくてはならないと思っていたのだと思います。

そのように育てられたので、そのままでは私も同じように娘に接することになっていたかもしれません。

 

しかし、心のどこかで叱られながら「こんな風に叱ることは間違っている」と思っていた私はこの本を読んで、「やっぱり母のやり方は間違っていた」と自分が本当にやりたかった子育てのお墨付きを貰うことが出来たのです。

叱る必要はないと。

 

「怒りは原因論ではなく目的論」のところを読んだ時には、

小さい子どもを2人抱えて突如シングルマザーとなった母のことを思い、

母の叱り方は間違っていたけど、今はすっかり丸くなった母も当時は相当なストレスを抱いていたのだろうなぁと思いを馳せ、涙が出ました。

 

この本では、アドラー心理学の根幹である

「原因論ではなく目的論」

「課題の分離」

「他者貢献」

を元に子育てに応用して書かれています。

今回はイライラに焦点をあてて、上2つについて書かれているところをご紹介しました。

この本(と「嫌われる勇気」も)を読むと最初は

「んな馬鹿な。」

と感じると思います。

しかし繰り返し読むうちに、「イライラ」する事に無意味さを感じるようになりました(イライラに焦点があてられた本ではありませんが)。

そうなると、「イライラ」することさえなくなりました。

 

世の中にはイライラが溢れています。

ニュース番組やSNSはイライラの宝庫です。

それらを見てイライラするのは、

ニュースを見てイライラしているのではなく、

イライラするためにニュースやSNSを見ているのです。

 

私も、ニュースもSNSも見ます。そして怒りを覚える時があります。

そうした時は、「怒りを求めている」時なのです。

イライラしたくなければ見なければ良いのですから。

でも敢えて見ている時には、自分は怒ってストレスを発散したい時なんだと思いながら見ています。

すると途端に冷静になることが出来ます。

 

そしてこのアドラーの考え方は、パートナーとの関係にも応用出来ると思います。

配偶者にイライラする人にも是非読んで頂きたいなぁと思います。

 

なんだか偉そうになってしまいましたが、とってもとってもおすすめの育児本なので是非ご覧ください。

子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気

子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気

 

  嫌われる勇気も併せて、というか出来ればこちらから読むことをおすすめします。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 余談

子どものうちから読んでおきたかったなぁと思ったのですが、

でもそしたら、友人とのいざこざや恋愛などがひどく味気ないものになったかもなぁなんて思いました。

それくらい色々と冷静になれる一冊です。